大学による研究発表と2.4GHzワイヤレスSoCの世界的リーダNordicの新製品
ワイヤレスジャパン2024× ワイヤレス・テクノロジ・パーク2024(その3)

● 非同期パルス符号を使用した多重通信方式APCMA (東京理科大学&大阪大学)

脳の動作にヒントを得て開発した新しい無線通信技術で,10,000台以上の端末と衝突なく低コストでLPWA通信できる.神経細胞パルス通信の特定パターンが特定の符号化された情報と関連していて,パルス・パターンは疎らな傾向があることを応用している.実機を用いた実験では920MHz帯で1,000台の送信機を用いたYRP(横須賀リサーチパーク)での予備実験では,見通し1 km の通信距離を達成している.現在,IoT による監視/ モニタリング/ へき地などへの活用に興味ある企業とのコラボを募集中.

 

● マグネチック・ループ・アンテナによるビーム・フォーミング (徳山高等専門学校)

徳山高等専門学校 クリプトクロム4では,ノイズに強い通信設備を実現する方法としてアンテナに着目.電界に応答しないマグネチック・ループ・アンテナ( M L A )を用いることで近距離のノイズによる影響を低減し,MLA の共振特性をフィルタとして活用した.MLA を4個使用してシミュレーション値9.6dBi,実測8.2dBiのゲインを得るとともにビーム・フォーミングを可能とし,アンテナ近傍での電界ノイズに対してダイポール・アンテナ比6 . 9 dB の成果を得た.高専ワイヤレステック・コンテスト 2023のワイヤレス基礎技術部門で最優秀賞を受賞.

 

ライター:武田洋一