あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い「共創」によって未来を描く!
CEATEC 2023(その2)

●超低消費電力で通信量も削減できるエッジAIカメラ

ネクスティ エレクトロニクスは,超音波センサと無線技術を併用した,高精度の3 D 屋内位置測位システムを展示.mm 級の精度を実現できるという.GP S が届かない屋内でも,リアルタイムに高精度に測位でき,人や物のトラッキング,A G V の位置測位,作業現場の可視化などに使用できる.

 

●さまざまなインターフェイスを準備した無線ゲートウェイ

野村エンジニアリングは太陽電池を搭載した屋外型無線ユニットSRPC 2 を展示.有線や無線でデータを収集し携帯網でサーバに上げるゲートウェイで,L T E -M,特定小電力無線,BLE,GPS,LoRaWAN などさまざまな無線I / F が準備してある.11Ahのリン酸鉄リチウムバッテリで長期間の運用も可能.

 

● バッテリーフリーの新しいセンサ通信技術

後方散乱通信研究コンソーシアムはバッテリーフリーで無線センシングを実現する新しい技術を展示.親機が送信した電力でタグが動作し,タグに接続してある外部センサを動かしてセンサ・データを返信する.920 MHz 帯を使用し通信距離は他の条件によるが約5mを実現.

 

●携帯通信網を使った水上ドローン

炎重工は水上ドローンを展示.用途に応じて水難救助や掃除,点検,ブイなどの機種がある.手動操作はもちろん,携帯無線通信網で使用しプロポでカメラを遠隔操作することも可能.経路情報などをプリセットしておけば,人が操作せずく自律移動する自律航法もできる.

 

● 新しい風速・風向センサ

ホルトプランは,抵抗の温度特性を利用した風速センサ,風向センサ,輻射熱センサを展示.可動部がないため長期間安定計測できる.風速センサは特許取得済で小型・軽量・低コスト・高耐久性を実現.風向センサは1m/s 以下でも利用可能で,方位・俯角とXYZ 軸ベクトル値を出力する.空気の見える化を実現できるため,例えばエアコンではより快適な環境が実現でき,他にもスマート農業や感染対策,クリーンルームなどに最適.デモソフトウェアも用意.

 

● データセンタークラスのAI処理をエッジで可能にする

マクニカはイスラエル製の世界最高性能のエッジAIプロセッサーHAILOを展示.リアルタイム・低遅延・高効率なAI推論で,データセンタークラスのパフォーマンスをエッジデバイスに提供できる.26 TOPSのAI計算能力で2.5Wの電力効率.外部メモリ不要でC hipOn BoardタイプとM.2タイプのモジュールで供給可能.ソフトウェアは既存のディープラーニング開発フレームワークとシームレスに統合できるAIソフトウェア群を提供.

 

● 新しい技術を使った,広帯域の振動センサ

ロボセンサー技研は最小直径0.5mmの電線状の新しい技術を使った振動センサを展示.超高感度( 0 . 001mN ),高ダイナミックレンジ( 107 ),超広帯域( 0 . 1Hz~3 MHz )が計測可能.さらに軽量(0.08g/10cm)のため,対象物への影響も最低限に抑えることができる.手袋型の触感センサでは手に触れた振動を計測可能.

 

● 世界各国の技術を紹介

カナダ,デンマーク,フィンランド,フランス,台湾,アメリカ合衆国,UAE,イギリス及びウクライナが参加.それぞれのソリューションやトレンドを目にすることができた.ウクライナのパビリオンは総務省の支援で実現でき,電子機器が主要輸出品の一つなので日本でもビジネスの期待が高まる.台湾はセキュリティ分野の10社が展示し,サイバーセキュリティの重要性をアピールしていた.

<武田洋一>