11月15日～17日，EdgeTech＋がパシフィコ横浜にて開催された．各メーカ展示に加え，タイム成績に加えモデリングも評価対象となる「ETロボコン2023」や，マイクロプロセッサ黎明期からのICやボードなどを展示した「チップミュージーアムmini」，来場者と出展者が飲食しながらコミュニケーションを取る「E d g e T e c h +フェスタ」も開催された．EdgeTech＋オンライン展は2024年1月9日～2月2日で開催される．

● スケーラブルで堅牢なセキュリティ機能搭載マイコン

ST マイクロエレクトロニクスは，Arm Cortex-M 33 コア（最大動作周波数250 M H z ）を搭載したSTM 32 H 5 シリーズを展示．TrustZone 対応で耐サイド・チャネル攻撃暗号化エンジンなどのハードウェア・セキュリティ機能を内蔵し，最先端のセキュリティ保障レベルを実現している．RAMは128K～2MB，ROMは32k～640kB，12種類のパッケージをラインアップしている．

● Bluetooth LE AOA アンテナ・ボード

ユーブロックスジャパンは，B l u e t o o t h L E 5 . 1 で方向 検知機能を 実現する AOA（Angl e of Arrival）用のアンテナ・ボード「ANT-B10」を展示．8つの パッチ・アンテナとアンテナ切替スイッチ，無線モジュールを搭載す る．このアンテナを2 つ使用すれば，マルチパスがある場合でも最 適なパフォーマンスを発揮するという．アンテナ・ボードには NINA-B 411モジュールを搭載し，方向検出アルゴリズムを実装 しているu-connect Locateソフトウェアを併用する．

●“柔らかい”発電モジュール（開発中）

朝日ラバーは，温度差により起電力が生じるゼーベック効果を利用した柔らかい発電デバイス「F – T E M 」を展示．加熱面5 0℃/冷却面10℃で開放電圧11 V，熱流1 W 当たり11mWの出力が得られる．ゴムを利用して柔らかいため，煙突や熱水などのパイプに取り付けができ，多少の凹凸があっても効率よく発電する．工場の排熱利用やウェアラブル・デバイス，自動車，ヘルスケアなどに利用できる．

● 産業用組込カメラ・モジュールとセンシング・カメラ

シキノハイテックは，組込用途のカメラ・モジュールをATM用に国内4社に供給し，POSレジやセルフレジ，駅の券売機にも多数の実績がある．30万～200万画素，USB/デジタル出力/LVDS/MIPIなどのインターフェースをサポート．標準レンズのラインアップが豊富なのがうれしい．ユーザ独自のカメラ・アプリを組み込みできるセンシング・カメラや，1D/2Dコードリーダ・モジュールもラインアップする．

● メタシンク・アンテナ〈Edge Technology優秀賞〉

スタッフは，金属や人体の近くでも特性が劣化しないメタシンク・アンテナを展示．エレメントと筐体などの金属や人体でループ・アンテナを構成する独自のアンテナ設計で，高利得と指向性，効率を実現．400 MHz 帯や920 MHz 帯など希望の周波数に合わせてメーカにて調整する．

● ゼロカーボン LoRa based module

グリーンハウスは，1 9mm 角の超小型LoRa/LoR a W A N 通信モジュール「GH-WM92LRB」を展示．ルネサスエレクトロニクス製Cortex-M0+コアの超低消費電力マイコンRE01とSEMTEC製LR1120を搭載し，20 mW 出力・受信感度－139dBmで長距離LoRa通信が可能．さらにWi-Fiスキャン＆GNSS統合機能を搭載．外部インターフェースにはGPIO/UART/SPI/I2Cを提供．小型ソーラーパネルとの併用でバッテリレスの機器が実現できる．技適取得済で評価ボードも用意．