MST→ET→IoT→EdgeTechと発展し続ける展示会
EdgeTech+ 2023(その2)

● 音声の制作・編集・合成のトータル・サポート

アレックスは,電子機器のユーザ・インタフェースに“音”を加える,音声の制作・編集・合成のスペシャリスト.音によるコミュニケーションを利用すれば,親しみやすく使いやすい機器が実現でき,給湯機に大きなシェアがある.音声改善コンサルティングやスピーカ関係の提案の他に,話速変換機能や音程変換機能,スピーカやピエゾ・スピーカ向けの音声合成ミドルウェアも提供している.

 

● マルチプロトコル対応RFモジュール

ディジインターナショナルは,LTE Cat4,LTE-M/NB-IoT,LoRaWANの幅広いワイヤレス・プロトコルに対応の無線モジュール「Digi XBee3スマートモデム」を展示.モジュール形状はスルホール/SMT/Micro(13x13mm)があり,内蔵MicroPythonでエッジ・コンピューティングを実現できる.XBeeネットワークの管理・監視・ゲートウェイや管理ツールを搭載.開発キットも用意されている.

 

● FORTELION 24Vバッテリ・モジュール

村田製作所は,オリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池( FORTELION)搭載の高容量の24Vバッテリ・モジュールを展示.鉛蓄電池と比べても,高い安全性能,急速充電性能,10 年以上の寿命が期待できる.モジュールの電圧・電流・温度・容量をCAN bus通信でモニタできる.セパレート・タイプとオールインワン・タイプがあり,ロボットや自動搬送機などに最適.幅広い用途にあわせて電圧や容量のカスタマイズも可能.

 

● Linux IoT製品用SOM(System On Module)

Toradex JapanはArm系組み込みCPUモジュールをスイスで開発,ドイツで製造し,20年以上ArmベースのSOMを提供している.Apalis/Verdin/Colibriの3つのファミリがあり,同じファミリ内ではピンの互換性がある.出荷時は,振動や高湿度,高温などの過酷な条件下で,すべてのハードウェアをテストしている.産業用Linuxオープンソース・プラットフォームのTorizon(トライゾン)で,迅速で効率よく,リスク最小化,ダウンタイムの削減などの開発ができる.国内代理店があり購入も容易.

 

● EnOcean製品とトイレ利用モニタ

ダイセン電子工業は,IoT関連製品でエナジーハーベストのEnOceanを用いた,CO2センサ/ 防水温度センサ/ 漏水検知センサ/ 距離センサなど16 種類のガジェットを販売.Wi-Fi やL T E に変換するゲートウェイにより,データをネットワークに出力が可能.また,EnOceanを利用した施設利用状況表示システム「ノックは無用!」は,トイレなどの利用状況をひと目で確認できる案内器で,駅や空港,商業施設,オフィスビルなどで便利なシステム.ほとんどの製品はバッテリレスで動作する.

 

● 長期利用可能なLinuxと超高速起動Linux

サイバートラストは,自動車や通信機・交換機,医療機器やFA分野など,ミッションクリティカルな分野で確実な動作実績と長期間の運用実績があるYocto対応の組み込み用Linuxを展示.10年以上,脆弱性パッチを提供し,有償での延長サポートもある.Intel x 86 – 64 やルネサス RZ/R-Car などのハードウェアに対応.LINEO Warp!!は,スナップショット方式を用いてLinux/Andriod システムの起動時間を十数秒程度に大幅に短縮することができ,ユーザビリティの向上や省電力化に貢献できる.106種類のSoC,128種類の製品での市場実績がある.

<武田洋一>