国内最大・最先端のマシンビジョンが集う展示会
国際画像機器展 2023(その1)

自動検査装置に不可欠なカメラやレンズ,そして画像処理装置の展示会「国際画像機器展」が12 月6 日~ 8 日, パシフィコ横浜で開催された.来場者は12,302人と前年より1,000人増えた. 高品質で低価格なモノづくりに欠かせない,高速な検査マシンに対応する画像処置の技術も,半導体の高速化に合わせ て進化している.そして,最近の画像処理技術はAI,自動運転や自律運転など車載機器にも欠かせないものとなっている.

 

●外観検査に! 高次局所自己相関技術を活用したAIシステム

アダコテックは,産業技術総合研究所で発明された高次局所自己相関(HLAC)技術を活用した独自のAIシステムを展示.良品データを多く学習させることで不良品データが少なくてすみ,外観検査や動画異常検知などに使用できる.精度改善サイクルが容易にまわせて,汎用PCで学習/検査実行が可能.Deep Learningとは全く違った仕組みで動作し,生産現場の検査システムでオフライン実行が可能.

●プライバシに配慮した,低解像度/高感度のCMOSセンサ

浜松ホトニクスは,プライバシの配慮に対応した,低解像度/高感度のCMOSイメージ・センサ「S14250」を展示.画素サイズは50×50μmで画素数は30×30と少ない.画素が大きいため高感度だが,画像が粗いためプライバシへの考慮が可能.グローバル・シャッタで読み出し,3 . 3 V 単一電源で動作.SPI通信で部分読み出しやゲイン切り替え,動作モード選択が可能.ナイト・ビジョンや動体検出,監視カメラに最適.

 

●JPEG XSエンコーダ/デコーダ装置TM7055E/D

テクノマセマティカルのJPEG XSエンコーダ/デコーダ装置「TM 7055 E/D 」は,数学手法を駆使した独自のアルゴリズム DMNA を使用し,ISO/IEC21121-1(JPEG XS)に準拠.軽量圧縮な がら低レイテンシを実現.RGB,YCbCr4:4:4/4:2:2/4: 0:0,bit深度:8/10/12bitを1つのIPで対応し,圧縮率を自在 に設定できる.

LucidaEye映像化鮮明装置TM7050はDMNAを用い,雪・モ ヤ・霧などの気象条件によって視界が悪化した映像や,逆光・光量不 足などでの暗い画像など,不鮮明な映像の視認性を改善する装置.防 犯・監視用やA I による画像認識率向上に最適.入出力はH D M I, 1920×1080,60i/59.94i,30p/29.97p/24pに対応.

 

●A-PHY出力のカメラ映像をキャプチャしてPC表示

ネットビジョンは,車載用の新しい高速通信インターフェース Automotive PHY( APHY)カメラ用のデシリアライザ・ボード「PHY Deserializer Board」を展示.A-PHY搭載カメラであればどこのメーカでも接続可能.デモでは,日本ケミコン製のA-PHYカメラを同社のMIPIモニタ・ボードSVM-06でUSB 3.2 Gen1に変換し,PC 上のキャプチャアプリ NV Capでストレスなく表示していた.MIPI モニタボードが次世代品になっても対応予定とのこと.

 

●1mm角のCMOSカメラを使用した工業用内視鏡

プラックスは,1mm 角のCMOS カメラを使用した工業用内視鏡で狭所・細部の撮影を実現した.カメラはO m i n i V i s i o n 製O VM 6946 を使用し,有効画素数は400× 400 で30 fps を実現.Zynq-7010で画像処理しPCへはUSB 2.0で接続.ヘッド・ケーブルが約2mあるので,検査装置の内部に設置でき,レンズ前面から無限遠までフォーカス調整ができる.液体レンズを用いた組み込み型の分離ヘッド・グローバル・シャッタ・カメラも展示.ヘッド部16 mm 角ながら1280 × 960 の有効画素で,USB 3 . 0( UVC1.1)インターフェースで,産業用ロボットなどに最適である.

<武田洋一>