日本のマーケットへの意気込みについて,Nordic のジョン・ケニー氏(カントリーマネージャー)とケニー・チョー氏(アジアパシフィックマーケティングコミュニケーション)にお話を伺った.nRF91シリーズは,グローバルなLTE-M/NB-IoT/GNSSとセキュリティおよびクラウド・サービスをサポートするソリューション.代表的なデバイスのn R F 9 1 6 0 は,1 0 × 1 6 ×10 . 4 mm のLGA パッケージにRF フロントエンドと64 MHz動作のArm Cortex-M33をアプリケーション用CPUとして備え,パワーマネジメントICやX’talなどをワンパッケージにしている.センサなどはアプリケーションCPU が制御し,省スペースと省電力動作を実現している.AT&TやBell,China Telecom,Deutsche Telekom, Vodafoneなどの海外キャリアにも認証済みなので製品の海外展開も容易である.もちろん国内キャリアの認証も取得している.インターネット・イニシアティブ( IIJ )からはSoftSIMも提供されている.
nRF70シリーズは,nRF52~nRF54,nRF91シリーズ用のWi-Fi 6 に対応したコンパニオン・チップ.低消費電力でWi-Fi6通信が可能になる.nRF7002は2.4GHzと5GHzの両対応,nRF7001は2.4GHzのみである.
nPMシリーズは,RFシリーズの無線SoCとシームレスに使用できるパワー・マネジメントICで,Buckレギュレータ/ 充電制御/ 残量計/LDO/スイッチなど多数の機能を内蔵している(機種による).
2.4GHz帯ではBluetooth Low Energy/Mesh/Thread/Zigbeeに対応した,nRF52シリーズが品種も多くポピュラーに使われ,最上位品種のnRF52840はApple,Google,Amazonなどが作成したスマートホームの通信プロトコルであるMatterにも対応している.nRF 53 シリーズはデュアルコアで低消費電力の上位機種.さらにはマルチコアでセキュリティや処理能力に優れたnRF54シリーズをラインアップしている.
日本国内では製品開発の思想や技適の問題でモジュールが多く使われているが,海外ではモジュールで採用されているは約2割でほとんどはデバイスを採用している.Nordicではプリント基板レイアウトも公開しアンテナ・マッチングのサポートも行っている.デバイスを採用することにより性能アップとコストダウンが可能である.
ライター:武田洋一