DX時代に欠かせないセンサ技術が集結!SENSOR EXPO JAPAN 2023(その2)

● 耐屈曲光ファイバを使用した液種判別センサ

東横化学は,耐屈曲光ファイバを採用し,見た目では分からない液体を判別できる液種判別センサを展示.水とその他液体の判別ができ,防爆エリアや危険な液体でも使用可能とのこと.

 

● ベアリング故障予兆検知向けのアコースティック・センサ

日清紡マイクロデバイスは2022 年に新日本無線とリコーの半導体事業部が合併して誕生し,オペアンプや電源,RFデバイス,光半導体,そしてマイクロ波製品をメインとして取り扱う.今回は隣接センサ同士の干渉に強い光学式タッチレス・センサやベアリング故障予兆検知向けのアコースティック・センサ,60 GHzミリ波スマート・センサを展示していた.

 

● 最大150GΩの高抵抗チップ抵抗器

日本ファインケムは最高100TΩの高抵抗や高電圧測定器を取り扱うメーカで,抵抗値はリード形で100TΩ ,チップ抵抗は1 0 0 5から6442 のサイズで最大150 GΩのラインアップがある.国内外の電子顕微鏡やX 線装置の高電圧回路に用いられていて,今後は微弱電流分野への展開を狙う.

 

● 半導体式R-32フロンガス・センサ

一酸化炭素や二酸化炭素,LPガス,硫化水素,アンモニア,冷媒ガスなど,ガス・センサの老舗メーカであるフィガロ技研は,近日発売の半導体式R- 32 フロンガス・センサを展示.フロンガスは冷媒ガスとしてエアコンに用いられているが,微燃焼性というデメリットがある.本センサはこのデメリットをクリアする重要なデバイスとなる.

 

● バッテリーレス液体検知センサ

藤倉コンポジットは,水や液体が触れると発電する液体検知センサ・システムと,物体のさまざまな変化を検出するバッテリーレス・センサを展示.電源不要で長期間使用する無線IoT 向けに面白い製品.バッテリーレス・センサは子供の車内置き去り対策や防犯,荷重スイッチ,破壊スイッチなどを想定しているようだ.

 

● 薄型フレキシブル一次電池と全固体電池

マクセルは安全性を高め環境負荷に配慮した,使い捨ての薄型フレキシブル1次電池と,長寿命と高耐熱性,発火発煙がなく充電できる全固体電池をアピールしていた.フレキシブル電池は,医療/ヘルスケア,ロジスティックス・タグ,IoT/ウェアラブル機器に,全固体電池は過酷な状況下でのセンシング,インフラ/プラントのモニタリングや異常検出用,交換が難しい設備向けに最適.

 

● 介護・見守りバイタル・センサ

1959 年設立の60 年以上続く電子部品商社である三ッ波は,非接触で呼吸数や心拍数,動きが検出できる60GHzの介護・見守りバイタル・センサと,三次元距離センサに独自の光学系を組み合わせて距離情報が面で取得できるToF 三次元距離計測ユニットを展示していた.

<武田洋一>