変わり種センサもいろいろ!SENSOR EXPO JAPAN 2023(その1)

次世代のDX 社会の実現に欠かせないセンサをはじめ,デバイスから完成品,システムやサービス,各種テクノロジを紹介した「SENSOR EXPO JAPAN」が9月13日(水)~15日(金),東京ビッグサイトで開催された.国内外から50社以上が出展し,来場者数は7,645名だった.

 

● 超高感度,超高速応答,超消費電力,超小型の磁気センサ

愛知製鋼の磁気センサの小型シリーズは,全世界で1億4 千万個以上使用されている.高感度シリーズは,微小な磁気の計測が可能であり,50um程度の磁性異物検知・遠く離れた磁性体の検知・電流計測による異常箇所の非破壊検査に応用されている. また,この技術は自動運転用の磁気マーカ・システム(GMPS)にも使用され,GNSSが使用できない地域でも精度±10mmと高い安定度が得られるそう.

 

● 人が嗅げるさまざまにおいをセンサで取得

Arybelle・サンワテクノスはフランスのにおいセンサ・メーカで,人が嗅げるすべてのにおいを可視化・データ化し,においの照合やマッピングを目指している.他のセンサと比べて安定性が高く,湿度にも対応する.

 

● IoTや自動車,スマート・オフィス向けセンサ

インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは脱炭素化とデジタル化を推進しており,60GHzミリ波レーダや3D ToFセンサ,CO2 センサ,高精度気圧センサ,3 D 磁気センサ,超音波式タッチセンサ,MEMSマイクとたくさんの製品を展示していた.IoTや自動車,スマートオフィス向けにより採用が進むと思われる.

 

● マイコンで動作可能な機械制御AIや物体検知AI

エイシングは独自のアルゴリズムで,マイコンで動作可能なAIを開発している.既存技術の不可能を可能にする機械制御AI や,周囲の人体を検知して安全を強化する物体検知AI,クラウドとの通信を軽減するエッジAI を用意.AI を搭載した組み込みシステムが簡単に実現できるという.

 

● 面圧分布計測インソール

オーギャは超薄型触覚センサのメーカで,低荷重域から検出可能でアナログ電圧出力のセンサを作っている.センサを開発以外にも,信号処理回路の開発や通信機,ソフトウェアの開発も行う.応用製品の面圧分布計測インソールはワイヤレス&フレキシブルなので,スポーツや介護,医療,自動車などの分野の利用が期待される.

 

● 誘電率&導電率センサと多点式筋電センサ

新光電気工業は非接触式の誘電率&導電率センサと多点式筋電センサを展示.誘電率&導電率センサは,汗や切削油,薬液,オイル,水質,コンクリートなどに使用可能.多点式筋電センサは筋電位をリアルタイムで計測でき,リハビリテーションやドライバ・モニタリング,スポーツ・サイエンス分野などの利用を想定.

 

● 光周辺センサと加速度センサ搭載のIoTスターターキット

テレパワーは9 2 0 M H z / 2 . 4 G H z 帯無線モジュールのメーカで,手早くPoC をスタートできるIoT スターターキットを紹介.光周辺センサと加速度センサを搭載し外部センサも接続可能.受信ソフトではCSV形式のログが保存できる.MicroPython でアプリケーションを作成でき,コーディング時間を大幅に短縮できる.<武田洋一>