世界最大級 !新エネルギー総合展
スマートエネルギー WEEK春 2024(その1)

世界最大級の新エネルギー総合展「SMART ENERGY WEEK 春」が2024 年2 月28 日~3 月1 日の3 日間,東京ビッグ サイトで開催された.水素燃料電池展/ 太陽光発電展/ 二次電池展/ スマートグリッド展/ 風力発電展/ バイオマス展/ ゼ ロエミッション火力発電展の7 つで構成された展示会で,脱炭素経営EXPO/ サーキュラー・エコノミーEXPO も同時開催 された.出展社は1,484社,来場者数は69,261名で,200のセミナも開催され,世界33の国と地域から出展があった.

 

●数km/Mbpsの通信が可能! 新しい有線と無線の ハイブリッド高速電力線通信(Nessumアライアンス)

Nessumは,従来の高速電力線通信HD-PLCが技術進化し名称変更した新技術.従来のHD-PLCやIEEE1901技術を継承し,有線/無線/ 水中などさまざまな媒体で利用できる.有線通信では省施工&低コストで長距離対応/ 既設通信の高速化/ 高セキュリティのメリットがある.無線通信では通信範囲制御や近距離無線で高速通信など,ネットワーク構築の課題を解決しスマート化に貢献する.

 

●樹脂・金属から生物試料などの透過像三次元データを作成(JMC)

医療用途でポピュラーなCTスキャンを工業製品や生物試料に適用.撮影対象を360°回転させながら数百枚撮影し,透過像から再構築することで三次元透過データを作成.光学式スキャナでは得られない複雑な形状の数値化,ボイドなどの欠陥の発見や寸法計測などが可能.BGA パッケージのはんだ付け観察や円筒形リチウム・イオン電池の内部構造観察が非破壊&三次元でできる.ナノ/ マイクロ/ ミリ・フォーカスで,高エネルギーX線の設備を保有.mmサイズから1mクラスまでのワークに対応.

 

●広温度範囲/大電流充放電/高い安全性の 高耐熱リチウム・イオン・キャパシタ(ジェイテクト)

Libuddy は,JTEKT 独自の技術により-40 ~85℃の動作温度範囲( 電圧制限により100℃でも使用可能)で,高負荷連続使用での自己発熱による劣化を抑制し,大電流での繰り返し充放電が可能である.しかも,発火しにくい材料構成により安全性が高く,自動車分野の信頼性を持つなどの特長がある.セル品は500 F,1000 F,1500 F,2000 F をラインアップ.セルを直列接続したモジュール品は,耐衝撃仕様や小型・軽量仕様がある.電源バックアップはもとより,再エネ電力システムや産業用ドローン,自動搬送車などへの活用が期待される.

 

●電気二重層キャパシタのトップメーカ(アイオクサスジャパン)

OP アンプ関連の多くの著書で知られる岡村廸夫氏が設立した岡村研究所を母体に,アメリカのIoxis 社と合併し,日本とアメリカで開発した電力用途から小電力用途までの電気二重層キャパシタを幅広いラインアップでグローバル展開している.60 Ø の円柱タイプでは動作電圧2 . 85 V 品で容量は1200 F/ 2000 F/ 3000 F.動作温度- 40~65℃でサイクル寿命100万回以上.セル品を組み合わせたキャパシタ・モジュールや,キャパシタとチタン酸リチウム( LTO )バッテリの一体型蓄電デバイスなどもラインアップしている.

 

●電流計測用シャント抵抗(ピーシーエヌ)

パワーシャント抵抗RH 35 BL シリーズは超低抵抗値で高精度を実現.標準抵抗値0.035mΩ(35μΩ)で最大連続許容電流1,000A,抵抗値許容差は± 0 . 25 / ± 0 . 5 / ±1/ ± 5%の4 タイプ.電流検出精度の点から4 端子構造で,取り付けが容易なフランジタイプ.他にも精密型や大電流に対応したチップ型のシャント抵抗も用意.

 

●絶縁アンプ内蔵のシャント電流センサ(KOA)

低抵抗の大電流シャント抵抗に検出回路を一体化した絶縁型電流センサ.検出部抵抗値は100μΩ(温度係数50±25[×10-6 /K ],最大測定電流範囲は±400A(締結部75℃).出力はアナログ電圧出力でVin / 2±2.0V,検出精度は±1%以下@ 25℃.バッテリ・マネージメント・システムや燃料電池,急速充電器などへの用途を見込む.

 

ライター:武田洋一