テレダイン・レクロイは，パワエレのスイッチング素子からユニットのさまざまなカテゴリを評価/ 解析するトータル・システムを展示．オシロスコープは12bit ADCで高分解測定が可能で，特にパワエレ用のプローブやオプション類は充実している．SiC/GaN 用の光アイソレーション・プローブや電流プローブをはじめ，B – H カーブ評価やノイズ・スペクトラム解析や三相パワー解析ができるオプションを提供．
Vicor は，1：8 のトランスを内蔵した双方向DC-DC コンバータ・モジュール BCM6135シリーズを展示していた．最大容量は3 . 8 kW．入力電圧範囲が48～800 V，出力電圧2 . 4～55 V とさまざまなタイプがあり，並列接続ができ，負荷に必要な大容量コンデンサを減らせる．4 種類の制御I / F が選択でき，車載用や産業機器をはじめ，多くのアプリケーションに対応可能．
ピーバンドットコムは，gene というセンサ評価モジュールをデモ展示していた．センサ・ユニットはスタッキング式で，SPIやI 2 C で各種マイコンと接続できる．240 mA のリチウム・イオン・ポリマ電池を内蔵し，センサのソフトはオープンソースとして公開予定．ホストにはRust 言語でグラフ表示も容易．実証実験をロー・コストかつスピーディに進めるには最適．
ベルニクスは，世界の電源メーカ6 社の製品を扱いを開始．Cyntec社，Delta社，Mean Well社，RECOM社，SINPRO 社，XP Power 社の28 , 000 点以上の製品をホームページ（https://www.bellnix.co.jp/products/）から一括検索可能とのこと．
ニチコンは，破裂・発火の可能性が低く低温特性もよい電気二重層コンデンサ並みの充放電特性を持つ，小形リチウム・イオン二次電池 SLB シリーズを展示．IoTデバイス・ウェアラブル端末やワイヤレス・イヤホンなどに採用実績があるとのこと．ローム製の充電制御ICやワカ製作所製のIoTスターターキットEH など，他社とのコラボレーションの展示もあり，今後の採用が増えていくと思われる．
日本ケミコンのブースでは，電気二重層キャパシタの展示が目を引いていた．耐電圧を2 . 8 V にアップしたD X F シリーズや，バランス回路・過電圧回路を内蔵した多目的の標準モジュールなどがあった．モジュールを応用した19インチ・ラックに搭載した据え置き型のユニットは，瞬断が許されない半導体製造工場などでバックアップ電源として使用されている．
コーンズ・グループのマイクロウェーブファクトリーは，高周波関係にフォーカスする中で，今回は5 軸アーム・ロボットを使ったESD 可視化システムとイミュニティ試験用リバブレーションチャンバを展示していた．ESD 可視化
システムはプローブをロボットで動かしながら，ESD発生テスタから基板上の影響を画面に表示する．放電ルートが分かるので対策すべきポイントの把握が容易．リバブレーション・チャンバはシールド・ルームの壁面を動かすた
め，パワー・アンプの出力が少ない特長がある．
リゴルジャパンは低価格で，短納期，3年保証で注目の中国本社の測定器メーカ．ブースでは600MHz帯域，アナログ4ch＋デジタル16ch，最高10GSa/SのMSO8064がキャンペーン価格で90万円強で発表されていた．ファンクション・ジェネレータやデジタル・マルチメータ，直流電源などの基本測定器も増え，スペクトラム・アナライザやRF信号発生器などの高周波測定器のラインアップも充実してきている．
モビリティ分野のパワエレは，四輪車はもちろん，二輪車・キックボードにも広がっている．分解展示コーナには，四輪車の中国BYD社のハイエンドセダン「SEAL」が，二輪車ではHarley-Davidsonから独立し，モータの有利性を活かして0～100km/hを3秒で加速するLiveWire社の「ONE」が展示されていた．原付2種に分類される中国TC 社の「W ANDERER 」や，電動キックボードのSegway-Ninebot社「D-air」などのモータやパワエレ基板が展示してあり，多
くの来場者が熱心に見ていた．
