世界最大の電子計測器メーカー，キーサイト・テクノロジーのCEO に昨年就任したサティッシュ・ダナセカラン氏が，4 年ぶりに行われたKeysight World 2023：Tech Days Tokyoに合わせて来日し，これからの戦略と展望，日本市場への期待と取り込みについて語った．
キーサイトは今後の技術的なトレンドとして （1）継続的なイノベーション，（2）AIとデジタル化，（3）サスティナビリティとエネルギー転換の三つを示した．（1）：半導体の微細化は今後も進化し，有線も無線も通信速度は飛躍的にアップ．今後10年でもっと大きな変化を予想．（ 2 ）：A Iでは業務効率がアップする特定型AI（ANI）から，2040年頃には汎用人工知能（ AGI ），そしてすぐに超知能（ASI）が到来し，シンプルな自動化から複雑な意思決定ができるようになる．（ 3 ）：環境分野で日本は2050年に実質CO2排出をゼロにすると誓約したことや，世界的な動きと合わせて自動車やエネルギー産業は新しいエコシステムに移行する．以上がこの三つを柱にした理由とのこと．
日本は近代的なインフラや優秀な人材が多く，技術的なノウハウが潤沢なことから，これからも世界的なイノベーションのハブであることは間違いなく，GDPが世界3位であること，Society 5.0やデジタル田園都市国家構想などの政策もあって，今後イノベーションがますます進むと考えられる．キーサイトはこれからも無線/ 有線通信，半導体，自動車，航空/ 防衛などにおいて，より進化させたソフトウェアでソリューション戦略を進め，1st to Marketで顧客の研究・開発からテストまでの各工程の革新を進めると語った．
若手エンジニアにとって，継続的に学び，新たな機会を求め，成果と結果を重視することは非常に重要である．そうすることで，自分の成功だけでなく，チームや会社の成功も可能になる．日本はこれまで多くの技術的ブレークスルーを牽引してきた．技術革新が加速していく中で，日本のエンジニアがそうあり続けることを私は確信している．＜武田洋一＞
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左：ダナセカラン氏（CEO），右：チェ ジュン氏（日本法人社長）
